ステートメント

私はとある家庭に生まれ、気がつけば意識があり、たちまち外部の膨大な影響を否応なく受け、結果言わば出自のはっきりしない自覚、というものを明確に認識している状態である。しかし、外部からの影響もそれに伴った自覚も無限に続く訳でも無く、意識の消滅と共に歯止めが掛かる事は、何となく知っている。そうなると逆算的に考えてもあらゆる事物、それらとの接触も有限である事に気づく。ならば自覚の出自を探ろうと外部を見渡す。咄嗟に焦点を合わせれば、誰かがデザインした流線型の照明器具、途方も無い空と奇態な雲、積年の石、偉人の親戚、蜂蜜の流動、打ち捨てられたスウェット等、それらはけたたましく、かつ淡々と代謝の如く立ち代わり存在している 。すなわちこれら当然が身辺を満たし、また自身もそれに埋没している事に気づく。私の描き出す発端はこの当然を紐解き検証する事から生じる。

 

                                              田中 秀介